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三菱商事が、インドネシアで食品のサプライチェーンを構築するというニュースです。
インドネシアのアルファグループと提携し、食品の供給網を充実する。
アルファグループはインドネシアに約50の物流倉庫と、約8500店にのぼる小型スーパーとコンビニエンスストアを持つ食品流通最大手で、三菱商事は同グループと合弁でアトリ・パシフィック社を設立し、食品メーカーと工場を立ち上げ、生産した加工食品をアルファグループの小売店で売るようにする。
アトリ・パシフィック社の資本金は35億円で、出資比率はアルファグループが6割、三菱商事が4割。
アトリ・パシフィック社はすでに山崎製パンと合弁会社を設立し2014年から食パンや菓子パンをコンビニなどで販売、マレーシアの菓子大手マンチーズとも合弁工場を設立し、来春から製菓を供給する。
今後、同様の事業モデルを乳製品や調味料など他の加工食品にも広げる。

アルファグループはジャカルタやスラバヤに大型倉庫を持ち、食品の卸事業を手掛けるが、冷凍・冷蔵品に適した低温物流網は整っていないことから三菱商事がノウハウを提供し、3年後をメドに乳製品などを保管できる倉庫や専用トラックなどの導入も進める。
三菱商事は並行して小麦粉では現地製粉大手のスリボガ(ジャカルタ)に出資、マーガリンやクリームなど加工油脂品の生産はカネカと共同出資会社を設立し、年間1800トンが供給できる体制を整え食品の原料調達も充実する。

インドネシアの09年の食品市場は5兆5千億円、中間層の拡大などでコンビニやスーパーなどの出店数は年率30%で伸びており、20年には17兆5千億円に拡大する見通しで、三菱商事は原料や販路の確保と物流網の整備を同時に進め、食品メーカーがインドネシアに進出しやすい環境を構築するということです。